
新事業進出補助金〈正式名称:中小企業新事業進出補助金〉とは?
中小企業・中堅企業の成長・拡大に繋がる新市場への進出や新事業の展開といった
思い切った挑戦を重点的に支援し、日本経済の構造転換を促すことを目的として
2025年に創設される補助金制度です。
これまでの「事業再構築補助金」の後継となる注目される補助金です。
中小企業新事業進出補助金 申請に向けて
ー令和6年度補正予算案(中小企業)・小規模事業者等関連予算の概要についてー
新しい内閣の下、令和6年度補正予算の審議が国会で進み、来年度の補正予算の概要が見え始めています。
中小企業・小規模事業者等関連予算の第1項として「持続的な賃上げを実現するための生産性向上・省力化・成長投資への支援」が示されました。
コロナで疲弊した企業への支援から稼ぐ力を強化する企業への支援と舵が切られたと言えます。
そのなかの一つに「新事業への進出にかかる支援の推進」として
①「継続的な賃上げ」が前提の補助金
②「生産性の向上」「省力化」「成長投資」、があげられました。
中小企業の成長に繋がる新事業進出・構造転換への投資に重点支援する新たな支援措置として
「中小企業新事業進出補助金」が創設されます。
補助金概要
中小企業等が成長する過程において、既存事業の拡大と同時に、新たな事業の柱となる新事業への挑戦が大きな飛躍のチャンスとなります。
そのような飛躍に挑戦する企業の前向きな事業を後押しし、同時に賃上げを実現させることで経済の活性化を実現させることを目的とする制度がこの「中小企業新事業進出補助金」になります。
本補助金の採択には、まず既存事業とは異なる事業であることが重要になります。
新たなターゲットやニーズに対応した新事業・新市場への進出・転換や多角化、思いきった高付加価値事業への挑戦を重点的に支援し、企業の成長と競争力の強化を達成することです。
次に、事業の拡大により企業を強化させ「賃上げ」に繋げていく計画が必要です。
この2つを達成する計画が本補助金獲得の鍵となります。
「中小企業新事業進出補助金」は、昨年までの事業再構築補助金の基金を継承する経緯から、要件や補助対象経費が類似したものになると予想されます。
しかし、新たに創設される異なる補助金ですので細部に異なる部分があり注意が必要です。
現時点で明らかな違いは、ウイズコロナから一歩前進し、社会の変化に対応する成長企業への施策である点です。
意欲のある企業への支援と考えられる補助金制度と捉えることができ、大きな投資を検討されている企業様にとってこの補助金は大きなチャンスと考えられます。
補助金の獲得に重要なことは事業内容の「新規性」と、要件の「賃上げ」の達成です。
今後、公募要領や公募時期が明らかになっていく中、早期からの計画が補助金の採択と事業の成功に繋がります。
〈参考〉 (令和6年12月6日付)
中小企業庁「令和6年度補正予算案 中小企業・小規模事業者等関連ポイント」
2024年12月25日時点の内容
事前準備
これまでの補助金の申請から下記の内容が必要になると考えられます。
・gBizIDプライムの取得
補助金の申請には「gBizIDプライム」が必要になります。
申請を決められたらなるべく早い段階で gBizIDプライム の取得をお勧めします。
gBizIDプライムは、申請から取得するまで数週間を要する時期もありますのでご注意ください。
・必要書類
申請書の提出には、対象経費の見積書が必要になります。
その他 申請に必要な添付書類が発生してまいります。
〈参考〉 デジタル庁「GビズID」サイト
公募要領発表前ですので確定した内容ではありません。
今後新たな情報の公表がありましたら順次更新してまいります。
基本要件
中小企業等が、企業の成長・拡大に向けた新規事業(※)への挑戦を行い、
(※事業者にとって新製品(又は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること)
①付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
②1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における 最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、 又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
③事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円 以上の水準
④次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等
の基本要件を全て満たす3~5年の事業計画に取り組むこと。
対象事業者
【対象事業者:中小企業、中堅企業】
企業の成長・拡大に向けた新事業への挑戦を行う中小企業等
具体的対象者はまだ公表されていません。一般的な産業分類の産業別規模で参照ください。
〈参考〉
中小企業
製造業その他:資本金3億円以下又は従業員数300人以下の会社・個人
卸売業 :資本金1億円以下又は従業員数100人以下の会社・個人
小売業 :資本金5千万円 又は従業員数50人以下の会社・個人
サービス業 :資本金5千万円 又は従業員数100人以下の会社・個人
小規模事業者
製造業その他 :20人以下の会社及び個人事業主
商業・サービス業 :5人以下の会社及び個人事業主
サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下の会社及び個人事業主
補助額
補助金額 : 1億円 (予想)
現時点では公募要領が発表されていませんので、確定ではありません。
補助率 : 1/2
補助上限額 (上記カッコ内の金額は特例適用後の上限額)
従業員数20人以下 2,500万円(3,000万円)
従業員数21~50人以下 4,000万円(5,000万円)
従業員数51~100人以下 5,500万円(7,000万円)
従業員数101人以上 7,000万円(9,000万円)
※補助下限750万円
※大幅賃上げ特例適用事業者の要件を満たした場合補助上限額を上乗せ
事業終了時点で ①事業場内最低賃金+50円
②給与支給総額+6%
*収益納付は求めません。
*基本要件②、③が未達の場合、未達成率に応じて補助金返還を求めます。ただし、付加 価値が増加してないかつ企業全体として営業利益が赤字の場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は返還を免除します。
公募期間
調整中
現在は、事務局公募の手続きが進行中であり、公募に関する明らかな時期はこれからになります。
事務局が決定し公募要領の発表まではこれまでの補助金制度の進捗具合から鑑みて、
公募の締切は2025年度以降になるとも予想出来ます。
新事業進出補助金は大型の投資が想定されるため、事前の入念な準備を行い挑む必要があります。
公募開始前の段階から準備・検討を行うことが採択に繋がります。
採択発表
調整中
公募要領が公開されていませんが、公募締切が2025年度にずれ込めば採択の発表は2025年6月から7月?
*審査には、必要に応じてオンラインによる口頭審査が実施されることが予想されます。
対象経費の発注
・対象経費の発注は早くても9月頃になると予想されます。
・採択発表から、交付申請手続き→交付決定→事業発注開始、と事務手続きを迅速に行う必要があります。
・採択より前に発注している「事前着手」に関しては、補助対象外になることが考えられます。
契約日・発注日にはご注意ください。
補助事業期間
交付決定日から14か月以内(ただし採択発表日から16か月以内)
補助対象経費
設備投資にかかる機械装置費の他、建物の建設費、建物改修費、撤去費、システム購入費等が
補助対象となります。
さらに、新しい事業の開始に必要となる研修費、広告宣伝費、販売促進費も対象となります。
補助対象経費の例 (専ら本事業で発生する経費)
・建物費 :建物の建築、改修に要する経費
・機械装置費 :専ら補助事業のために使用する装置
・システム構築費 :専用システム構築費
・技術導入費 :製品開発に要する加工、設計費
・専門家経費 :専門家による技術指導費
・運搬費
・クラウドサービス利用費
・外注費 :製品開発に要する加工・設計費等
・知的財産権等関連費
・広告宣伝・販売促進費
補助対象外経費の例 (他の事業でも使用可能な汎用性のある経費)
・補助対象企業の人件費、従業員の旅費
・不動産、公道を走る車両、汎用品(パソコン、スマホ等の購入費)
・販売する商品の原材料、消耗品、通信費